組織文化と情報共有

従業員が、お互いに活発な情報共有をしながら効率的にいきいきと働く職場環境は理想的ですね。ところが、多くの企業が社内の情報共有に問題をかえているのが現実です。

情報共有は大切なことだと従業員の方一人ひとりはわかっていても、なぜか全体としてうまくいかない。また、経営者から情報共有の大切さを何度伝えてもなかなか行動が伴わない、という経験はありませんか?実は、その背景には「組織文化」が大きく影響していると私は感じています。
この記事では、組織文化が情報共有に与える影響と、状況の改善方法について考えてみたいと思います。

組織文化が情報共有に与える影響とは?

まず、組織文化について考えてみましょう。組織文化とは、会社の中で共有されている価値観や信念、行動のクセのようなものです。会社の“雰囲気”、と言ってもいいかもしれません。それが、社内の情報の流れにかなり影響を与えています。

例えば、オープンで透明性の高い、いわゆる風通しの良い文化のある会社では、従業員同士が自由に情報を交換し、上司や部下の垣根を越えて、いろいろな意見が飛び交います。
こういう環境の中では、業務の効率が良くなり、新しいアイデアも生まれやすいです。

一方、閉鎖的な文化が根付いている会社では、だいたいどちらの会社でも情報が停滞しています。知り得た情報を自分の業務や、チームの中だけで活用する。他の人や、違う部署のメンバーに共有したほうがいいのでは?という発想がない。
これでは大事な情報が、必要なメンバーに届かず、組織全体の効率が落ちてしまいます。

情報共有を促進する組織文化づくり

では、どうすればコミュニケーションを促進する組織文化を築けるのか?

私は、経営者のリーダーシップがとても大事だと思っています。
経営者として、まずは自分自身が積極的に情報共有を推奨する姿勢を見せることが大切です。例えば、定期的なミーティングを開いたり、オープンなディスカッションの場を設けるといったことです。また、デジタルツールを導入することも情報共有に対する本気度を表すという意味で、組織変革のきっかけになるかもしれませんね。

経営者自身がリーダーシップを発揮し、個人や部署の垣根を越えて情報を共有し合う職場環境作りを進めることが大切だと思います。

中小企業における良好な組織文化の育成と情報共有の大切さ

中小企業は、大企業に比べて従業員の数が少なく、経営リソースが限られています。そのため情報共有は一層大事な要素になってきます。少人数の組織では、一人の従業員が多くの種類の業務を担当することが多く、情報の行き違いやコミュニケーション不足が大きな障害になることが少なくありません。情報共有が活発に行われる良好な組織文化を育て、こうした問題が起きない職場環境を作ることが大切です。

従業員同士の良好な関係を築くことで、立場や部署を超えた情報交換が活発になり、業務上の問題が早期に解決されるようになります。また少人数だからこそ、従業員の意見やアイデアが会社の成長に直接反映されやすい環境を作ることも可能です。
このような文化を育てることで、従業員は自分の役割に誇りを持ち、会社全体としての結束力強化につながります。

まとめ

今回は、組織文化の大切さについてお話ししました。この記事が組織文化について考えていただくきっかけとなれば嬉しいです。
社内の情報共有の良し悪しは、上司からの指導や規則など、そういう具体的なもの以上に、組織文化の影響が大きいと感じます。オープンで透明性の高い文化を築くことで、従業員同士のコミュニケーションが活発になり、会社全体のパフォーマンスが向上します。
経営リソースの限られた中小企業こそ、良好な組織文化を育てる工夫をしてみてください。