レジリエンスとは?① ビジネスに役立つ重要ワードをわかりやすく解説
レジリエンス。この言葉、最近耳にされる機会が増えていませんか?
予測不可能な変化が多く、先を見通せない現代のビジネス環境の中で、レジリエンスは経営者が持つべき重要な視点の一つになってきています。
従業員の方の自己成長と、組織の健全な発展を目指す経営者にとって、レジリエンスの理解は非常に大切です。
今回から、レジリエンスという考え方の概要や、それを身に付ける方法、そして企業経営においてどんなメリットがあるのかを、いくつかの回に分けて順に解説していきたいと思います。
レジリエンスとは?
レジリエンスとは、もともとは環境学や工学の世界で使用されていた言葉です。
環境学での使い方は例えば以下のような感じです。
みなさん、まず山の中の森を想像してみてください。
その森の中で崖崩れが発生して一部の地面がむき出しになったとします。よく災害のニュースなどで見る光景ですね。
そのむき出しになった地面をそのまま放っておいたらどうなるでしょうか?
人間が植林などせず、まったく自然にまかせて放っておいた場合を考えます。
何が起こるかというと、数週間のうちにまずいろいろな草が生えてきます。
その後、しばらくすると、鳥や風に運ばれた木のタネがどこからともなく飛んできて小さな木の苗が生えてきます。
そのまま数年から数十年放っておくと、木の苗がだんだん大きな木に育ち、いろいろな生き物たちも戻ってきます。
そして、やがては元あったような森が自然の力で復活してくるんです。
このような、森や生態系が自ら回復する力を環境学では「レジリエンス」と呼んでいます。
つぎに、工学の領域でのレジリエンスの使い方です。
こんどはバネのようなものを想像してください。
バネは外からの力で、ギュッと縮められたとしても、その力から解放されると元の形に戻りますね。
バネのように物体が元の形に自ら復元する力、それを工学の世界で「レジリエンス」と呼んでいます。
今回解説していく「レジリエンス」とは、今お話ししたような、森が自ら回復する様子や、バネが元の形に復元する力を、心理学やメンタルヘルスの領域に応用して使っている言葉です。
人はストレスや困難に直面するとメンタルが落ち込むことがありますね。でもその落ち込んだメンタルを自分の力で立て直し、元の健康な状態に戻す能力のこと。
それをレジリエンスといいます。
レジリエンスをシンプルな言葉にすると
レジリエンスをわかりやすい言葉で言い換えると、
「落ち込んだメンタルを元の状態に戻す力」とか
「精神的に立ち直る力」と言えると思います。
レジリエンスは、逆境に直面した時に、自らを守り回復させるために必要な心の強さです。
レジリエンス能力とか、レジリエンス力、という使い方もよくされます。
このレジリエンス能力の有り無しは、個人のメンタルを左右するものですが、個人の集団である組織の健全性や成長に対しても大きな影響力があります。
その意味で企業経営者は、従業員の健康や、組織の活性化を考える上で、レジリエンスを理解しておくことが非常に大切です。
今回はレジリエンスという言葉の意味を中心に解説してきました。
次回の投稿では、このレジリエンスがもつ3つの大きな特徴についてお話ししたいと思います。